株価は本当に下がっているのか -新型コロナウイルス-

日経平均は下がっているのか

うちに居る小学生も来週から休校となる。ジャパンラグビートップリーグもお休みだ。スーパーラグビーは日本開催をオーストラリア開催に変更して、スケジュールを消化していく。サンウルブズも、先週のレッズ、今日行われたハリケーンズともに、ブレイクダウンで負けてしまっている。奮起を願ってしばらくは静かに過ごそう。

さて、株価の値下がりが止まらない。当初楽観していたアメリカも落ち始めてしまい、世界同時株安の様相を呈してきた。

わたしはFPなので、一律に株式投資を勧めたりするわけではない。一人ひとり、直面している現実が違うからだ。少しデータを見てみたい。

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これはSBI証券のHPから抜粋してきたものだが、日経平均の変動を表すものだ。1年前を100とした時に、今は97ちょっとと言ったところだ。2019年の年末から110を超える値上がりを見せていたが、今では1年前の水準よりも下がってしまっている。だから株安となるのだ。

では3年のスパンで見てみるとどうだろう。

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これで見ると107といったところ。1年前との比較とは変わってくる。

さらに10年で見てみよう。

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リーマンショックは既に起きた後ということになるが、190くらいになっている。この10年間で90%値上がりしてきた、つまりほぼ倍になったということがわかる。1年で見るとマイナスになっているものが、10年で見ると2倍近くになっているわけで、ここ数週間の値動きに対する見方を改めて考えさせられるデータだ。

先程も触れたが、投資は一人ひとりの実情を踏まえて考えるものである。これからまさに老後資金として使おうと思っていたものが大きく値下がりしてしまったという方にとっては、地獄のような日々だ。一方でバリバリ働いており収入が得られている人は、一度冷静に10年スパンでも考えてみていただきたい。

マスメディアとのズレ

また、混乱は株価だけではない。

全国の小中高への一斉休校の要請が政府から出たのが2.27(木)の夜、明けて翌日にはスーパー等でトイレットペーパーやティッシュ、医薬品など、一斉に買い占めが起きた。事実わたしもその一人である。

これは『マスクとトイレットペーパーが同じ原料で作られていて品切れになる』とSNSで広がったことに起因しているとNHKは報道している。

少なくともわたしが動いた原因は異なる。またスーパーやドラッグストアで見かけた年齢層から考えても、SNSに敏感な方々が多いとはとても思えなかった。

ではわたしを突き動かしたものは何か、2011年の計画停電の経験だ。今回同様、突発的に発表され、実際に行われた。当時、子供が生まれたばかりだったが、おむつが店頭から消えた。そもそもお店も計画停電で営業できなくなっていた。

今回は子どもたち、そして子を持つ親にとっては強烈なインパクトはあったものの、それ以外の世帯には、大変だなあと思わせる程度で済んだ。影響の深度は大きかったが、受ける面積は計画停電に比べると小さかったのだ。

今回のわたし自身の行動は、何らかの情報に影響を受けたものではなく、過去の経験に基づき、自分の判断、意志で行動したものだ。計画停電を味合わずに済んだ方には実感が持てないかもしれないが、労働力が制限されることとなり、その影響は在庫が尽きてから、遅れてやってくるということを、学んだ人たちの行動が発端となったと考える。

あの当時、東京、特に都心部では計画停電は実施されなかった。出社が難しい旨を伝えても、実情がわかってもらえず、ほぞをかんだものだ。

株価と実体経済のズレ

過去にも触れているが、わたしは自動車会社を取引先に持つコンサルタントだが、残念ながらこの世情の中、国内で自動車が売れるはずはない。消費増税の影響を受け2020年1月の販売実績も前年比マイナスになっていたが、2月はさらにひどい状況になっていることは、想像に難くない。

先程は投資の観点で1年スパンと10年スパンを比較したが、今を生きる我々が10年前の経済と今の経済を比較し、今は幸せだと思えるかと言うと、残念ながらそうはならない。人間そこまで機械的にはできていない。1年前のことは覚えていても、10年前のことは忘れるのだ。

無理をしないライフプランニングを心情としているFPの立場としては、実体経済の落ち込み具合は、株価の下落どころではないと言わざるを得ない。第4四半期、わたしのクライアントである自動車会社は、おそらく赤字になる。デパート、百貨店などもインバウンドの落ち込み以上の数字になってくるだろう。

このような事態を想像する力を持たない我々は、引き続き、新卒採用を積極的にやってきたわけだが、永く売り手市場となっていた大学新卒採用の現場は、残念ながら大きく反転するだろう。

 

まとめにはならないが、FPとしては、10年待てる方は投資しても良いが、待てない方はほどほどに、というのが今できる精一杯の助言となる。世の中はリスクに満ち溢れているということを、常に考えられるかどうかなのだ。楽観論に甘えずに自らの規律を守る、そうラグビーと同じでディシプリンが大事、ということになる。