神戸製鋼を止める術はあるか!? -第2節&第3節 ジャパンラグビートップリーグ2020-

せい3連勝は3チームのみ

神戸製鋼コベルコスティーラーズの勢いが止まらない。第3節終わって勝ちっ放しはパナソニック東芝、そして神戸の3チームのみ。パナソニックは初戦のクボタ、調子の上がりきらないトヨタ、昇格組の三菱重工に対する3連勝。東芝サントリーに勝利し勢いに乗るが、第5節でパナソニック東芝は直接対決となる。

それに比較すると神戸製鋼は既にヤマハサントリーという2つの大きな壁をこの第2、3節で超えてみせた。第9節までホーム、ユニバー記念競技場で開催できることも考えると、第6節の東芝戦を除けば敗れる要素は見当たらない。

カーターへのプレッシャーをかけたヤマハ

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この日のヤマハの戦術は見事に当たったと思う。第1節でボールが次から次へと繋がっていくニュージーランドスタイルのラグビーは、そのテンポを封じられた。10番SOダン・カーターへの速いディフェンスが見事に効いていた。少なくとも前半40分は17-22でヤマハも折り返せた。

J SPORTS解説の藤島大さんが仰っていたが、カーターはこのようなケースを何百試合と経験している。象徴的な場面は後半51分のSH日和佐のトライだ。このトライに繋がるラックでは、日和佐から10番カーターへのパスではなく、その間に6番FLトム・フランクリンが立ち、ヤマハディフェンスのプレッシャーを受けながらもさらに深い位置に立つカーターへパス。既に飛び出しているヤマハディフェンスをカーターが狙ってブレイクし、サポートしていた日和佐へパス。ゴールが決まって17-36。その後もヤマハは得意のラインアウトを5番LOブロディ・レタリックに防がれる。終了間際に返したものの、カーターにより神戸対策を封じられた後の19点差はやはり大きかった。

しかしヤマハの得点シーンは見事だった。藤島さんが、ヤマハは斜めに走ってボールをもらう、といった内容を仰っていたが、神戸の強い一人ひとりのプレッシャーを交わしつつ、強固に組織だってはいないディフェンスを何度も突破できていた。ストラクチャーからの展開は、SO清原祥の立ち位置も適切でもたつくことなくハンズが展開され、サイドラインギリギリまで使ったトライを作れていた。スクラムも強い。あとはラインアウトだったわけだが、そこは世界屈指のロック、レタリックに防がれた。

サントリーのアタックも効いていた

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面白いことに神戸製鋼の点数は第2節と1点違いの35。神戸のアタック対サントリーのディフェンスという意味ではヤマハサントリーは変わらない。逆にサントリーはトライ1つ分、ヤマハより点数は取れたものの、ボーナスポイント1点を取るのが精一杯だった。SH流大からの用意していたループプレーを受けたFB松島幸太朗が神戸ディフェンスのミスマッチをついてLOブロディ・レタリックを突破し、決定的なパスをWTBテビタ・リーへ。ところがゴールライン手前でまさかのノックオン。この点があれば同点、逆転もあったかもしれない。

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サントリーヤマハ戦を参考にしたのかもしれない。早く強い一人ひとりが前に出てくる神戸のディフェンスを深い位置でパスをもらうことでサイドラインまできれいに運べていた。後半61分には前半やらかしたリーが長いパスをもらい、神戸ディフェンスを引きつけつつ、左サイドのNo.8テビタ・タタフへラストパス。前半のやらかしを最低限取り返した。

ディフェンスでもサントリーは神戸の速いハンズを封じた。ヤマハ戦のようなカーターへのプレッシャーというより、全体的にディフェンスラインを上げて素早く繋ぎたい神戸アタックへプレッシャーをかけた。しかし、そうなると今度はハンズでのライン突破ではなく、個人で突破をしかけてくるのが今の神戸製鋼だ。キック処理を受けてのFB山中亮平のランは自信に溢れていた。キックフェイクからのワイルドなランでサントリーディフェンスを切り裂き、大きく敵陣にゲイン。そこから個人個人でゲインし、最後はもう一度山中がもらい前半24分のトライ。前半35分にはゴール前でLOトム・フランクリンが力でねじ込みトライ。後半は12番、CTBリチャード・バックマンの一人舞台だった。後半早々、ディフェンス裏へのキックでWTBアンダーソンフレイザーのトライを演出すると、56分には自身でゴール前に持ち込みペナルティーを受けると、すぐさまプレーを再開し、サントリーディフェンスを巻き込みながらゴールラインを突破。ハンズで相手ディフェンスをかき乱したり、個人の力で突破したり、今の神戸製鋼は何でもできることを示した試合だった。

一方のサントリーもストラクチャー起点の用意したアタックに関しては、ヤマハ同様に神戸に効いていた。とにかくゴール前ノックオンによる5点取れなかったことが全て。リーグ戦のみの今シーズン、このやらかしを取り返す術は無いのである。サントリーとしては悔やんでも悔やみきれない一戦となった。

神戸を止めるにはディフェンスしかない

この2試合でわかったことは、強豪の2チームが対策をして臨んでも、神戸製鋼には30点以上取られてしまうということだ。ボールを神戸に渡さずポゼッションを確保し続けるか、神戸に持たせてラッシュディフェンスをかけ続けペナルティーを取る、もしくはターンオーバーからのカウンターでトライを取る。といったプランを80分ミスなく遂行すること、これくらいしか打倒神戸の戦術が思い当たらない。つまりパナソニックワイルドナイツが伝統的に信条とするスタイルだ。4.11(土)熊谷での天王山に向けて、パナソニックがどんな準備をしていくのか、今から楽しみだ。

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