東芝の復活を観た -第1節 ジャパンラグビートップリーグ2020-

賭けていた東芝

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https://www.top-league.jp/schedule/2019/

東芝ブレイブルーパスサントリーサンゴリアスを下し、府中ダービーに勝利した。東芝にとってはこの結果だけで充分と言える。昨シーズン、ベスト4常連の東芝は11位に急降下した。とにかく噛み合ってなかった、という印象が強い。それが優勝候補の一角、サントリーと真っ向勝負で競り勝つことができた。

公式スタッツが無いので確かなことは言えないが、試合を通しておそらく東芝の方がポゼッションを持っていたのでは。前半29分でサントリーFL西川の一発レッドがあったことが響いたのか、サントリーは個人技こそ光ったが、アタックも単調だったように観えた。

ブレイクダウンでの勝利

サントリーのアタッキングラグビーの肝は、ラックでの素早い球出しや、そこからのボックスキックでの効率的な前進だ。ラックでは常に東芝にしつこく絡まれており、目指すところの素早い球出しに苦しんでいた。特に新加入の元ニュージーランド代表、そしてクルセイダーズでも7番を背負った、FLマット・トッドの存在はやはり大きかった。

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http://www.toshiba.co.jp/sports/rugby/result/2019/13_rsl.htm

試合の終わり際にもジャッカルを決めていたトッドだが、要所要所でサントリーの球出しを遅らせていた。逆に東芝はキャプテンでマンオブザマッチにも選ばれたSH小川高廣が素早くさばいてフィジカルの強い選手がまっすぐ当たる、という何とも東芝らしいラグビーを展開できていた。小川のパフォーマンスはサントリーSH流を上回っていたと思うし、再度、代表入りを狙えるに充分な仕事だった。小川にはプレースキックという武器もあるため、東芝の成績次第では6月に招集されるはずだ。

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http://www.toshiba.co.jp/sports/rugby/result/2019/13_rsl.htm

サントリーのアタックの印象が薄いのは何故か

この試合、ニュースにもなっているFB松島幸太朗の股抜きパスも見事だったし、CTBサム・ケレビのディフェンスもさすがワールドクラスというものだったが、チームとしてのアタックがよくわからないままだった。特に気になったのは前半から後半中盤にかけて、ケレビがディフェンスでしか目立つシーンが無かったことだ。本来であればラックからボールをもらい、ディフェンスの2人や3人くらい引きずりながらゲインして欲しいものだったが、ケレビに深くボールを渡すことができていなかった。フラットな短いパスでポゼッションを取りに行ってもこの日の東芝はブレイクダウンがしつこいので、それもうまくはいかなかった。どこかで切り換えて、ケレビに深い位置でボールを渡し、存分に走ってもらう、もしくはズドーンと当たってもらうなど、ケレビの使い方を見直したい。

それでもNo.8テビタ・タタフだけは印象的だった。ボールキャリーの場面ではシンプルに強かった。日本代表キャップも3持っており、トップリーグの枠を消費しない日本人選手として登録されているタタフだが、しばらく見かけることがなかったので忘れかけていたが、この試合でその実力を思い出させてくれた。東芝No.8リーチマイケルにはやや疲労の色が観られたこの試合、東海大学の後輩タタフが今後の代表FW第3列の争いに加わってくることは確かだ。

ワールドクラスのマッチアップ

サントリーで言えばCTB中村亮土やFLヘンドリック・ツイ、東芝では共同キャプテンのFL德永祥尭がメンバー外ではあったが、激しいシーズン、今後必ず必要となってくるので、にわかファンの方々にもお待ち頂ければと思います。

この試合、東芝ニュージーランドコンビによるセンター、CTBティム・ベイトマンCTBリチャード・カフイに注目していましたが、見事な活躍でした。どちらかと言うとカフイがペネトレーターとしてフィジカルに行くのかなあと思ってましたが、カフイはベテランらしく器用にボールを繋ぐ役に徹してました。代わってベイトマンサントリーディフェンスを切り裂き、何度もゲインしていました。J SPORTS解説の菊谷崇さんが仰っていましたが、ベイトマン東芝に合う選手かもしれませんね。

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http://www.toshiba.co.jp/sports/rugby/result/2019/13_rsl.htm

東芝に来て以来、なんとなくその力を出し切れていなかったカフイも、ベイトマンとのコンビで活かされるなら、このセンターは他チームにとって脅威になるやもしれません。注目です。

注目していた東芝の日本人両ロック、LO梶川喬介LO小瀧尚弘もハードワークが観られ、ラインアウトも安定していました。

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http://www.toshiba.co.jp/sports/rugby/result/2019/13_rsl.htm

6番で出場したFLシオネ・ラベマイもタタフに負けず劣らず、ボールキャリーでの強さを観せてくれていました。このように、これまで代表選手ばかりがフューチャーされていましたが、まだまだ層の厚い日本ラグビー、たくさん魅力的な選手がいますね。

先日書いた大学選手権の決勝戦もそうでしたが、勝ち続けることは非常に難しいわけです。

敗れたサントリーは必ず復活してきますし、東芝もライバルに対し接戦での勝利ということで、浮かれることもないでしょう。両チームとも今後に期待できる試合内容でした。