フィフィタを使い切れなかった天理、中野を使い切った早稲田!! -ラグビー大学選手権-

国立競技場へは明治と早稲田

f:id:rugbyfp91:20200103102133p:plain

https://www.rugby-japan.jp/lp/daigaku_senshuken/index.html

勝戦、1.11(土)の国立競技場に立つのは明治と早稲田となりましたた。

明治と東海については別途レポートしますが、まずは関西に敵がないまま選手権に臨んできた天理、そして早明戦で明治に完敗した早稲田との準決勝第1試合。

それぞれ準々決勝では勝利以上の価値を手に入れることができた。天理は流通経済大学に充分に苦しめられた。早稲田は早明戦での課題を認識できていた。

そしてブラックエンジ秩父宮で相対した。

フィフィタ対中野

この日、ついに早稲田は12番、CTB中野将伍が復帰し先発に名を連ねていた。マンオブザマッチを上げるとすれば、個人的には中野にあげたい。和製ソニー・ビル・ウィリアムスはその名の通り、SH齋藤やSO岸岡からのボールを受けてのダイレクトプレー。2人いや3人の場面もあったと思う、ディフェンスを自身の体に巻きつけるようにラックを形成することもあれば、危なげないオフロードでWTB古賀やFB河瀬にボールを供給する。早明戦では早稲田ができなかったプレーだ。強さ、速さ、そして柔らかさを兼ね備えた大型センターは、復帰戦でそのシンプルな役割を見事に演じきった。

f:id:rugbyfp91:20200103104602j:plain

https://rugby-rp.com/2020/01/02/domestic/45295

対するはサンウルブズのスコッドに名を連ねる天理13番、CTBシオサイア・フィフィタ。強さ、速さではおそらく中野を超えるものがある。しかしそれはボールを持ったときのことだ。中野とは対照的と言えるが、天理はフィフィタをペネトレーターとしてではなく、WTBやFBへのつなぎ役、もしくはフィニッシャーとしてトライラインの直前で使った。フィフィタがアタックの起点になったのはキックオフ直後の大きなゲインだけだろう。早稲田ディフェンスを引きずって一気に早稲田陣内に迫った。早稲田にとっても最も恐ろしいプレー選択がこれだった。

ディフェンスの早稲田はブレなかった

早稲田は相良監督の下、ディフェンスに焦点をあててきた。この日もフィフィタだけでない、4人の外国出身選手を前面に出してくるアタックをディフェンスで我慢し、カウンターでトライを狙うという大きな戦略だったと思う。先程触れたフィフィタのキックオフ直後のゲインの際も、やはりキャプテンSH齋藤直人が最終ラインをカバーし、前半終了の早稲田陣内トライラインでの攻防局面でも我慢し続けることができた。結果、最後は天理スクラムからのボール出しを齋藤が見事にサックし前半を21-7でリードし終えた。ディフェンスへの集中力は帝京戦で観せてくれた通りだ。

中野を起点とするアタックがポンポンポーンと決まった後だっただけに、攻め込まれた早稲田が緩まないかどうか心配したが、杞憂でしかなかった。やはりディフェンスからのアタックであることを、選手は正しく認識していた。なんら過信はなかった。ボールを持ったフィフィタへ正面から立ち向かったのもやはり中野だった。中野ももちろんディフェンスの意識だったのだ。

一方、天理は立ち戻るところを見失ったように思える。強いスクラムも早稲田にアジャストされた。ラインアウトは早稲田にスチールされる。再三再四、J SPORTS解説の藤島大さんが仰っていたが、相手にそう思われていてもフィフィタにボールを渡す、という絶対的な強みを活かそうという判断ができなかった。フィフィタだけに負荷をかけたくないと思ったのかもしれないが、まずはシンプルにフィフィタにボールを渡し前に出てもらうべきだったろう。ディフェンスが集まってきたところで、周りの選手を活かせばよかった。

明治へのチャレンジ

中野が戻ってきたことで、早稲田はメンバーが揃った。リザーブ含めて申し分ない。

SH齋藤の危機管理能力、SO岸岡の俯瞰しているようなゲームマネジメントと独特の間からのパス。選手権からは外れるが、J SPORTS解説の小林深緑郎さんが岸岡を絶賛されていた(身長がもう少しあれば、という要望も仰っていたが。。。)。23年のフランス大会へ向けてこのハーフ団を早く日本代表としての経験を積ませてあげて欲しい。

FB河瀬のアタックラインへの上がり方もこの試合見事だった。後方から斜めに参加し数的優位を作り出すランができていた。対抗戦からのレベルアップが最も著しい選手のように思う。

早明戦の明治は本当に強かった。強さ、速さ、そしてスキルも高い。この強いディフェンディングチャンピオンに挑む上で、天理を破ったことは本当に大きい。我慢をし、我慢をし、さらに我慢をした上で、カウンターで勝負をしかけて欲しい。