明治の充実、際立つ -関東大学対抗戦-

週末2試合の結果

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https://www.rugby.or.jp/univ/sheet/1410/

先週末行われた関東大学対抗戦。早稲田が早慶戦を制し、明治が帝京を破った。

この結果、12.1(日)の早明戦は全勝同士の対決となり、試合結果で対抗戦の1位と2位が決まる。既に3位は帝京。4位は筑波か慶應

大学選手権のヤマガタでは1位と4位、2位と3位が同じヤマに入る。

 

今年も接戦となった早慶戦

例年、その時点での星取表に関係なく接戦になるのが早慶戦。96回目となる今年も例外ではなかった。特に雨天ということもあり、学生たちにとってもプラン通りには行かないことが多々あったのでは。

プレビューでは慶應の留学生に着目した。

まだ慶應ラグビーにフィットしていないという印象であり、活躍したとは言い難い。むしろ後半CTBイサコ・エノサに代わって入ったキャプテンCTB栗原由太の動きは良かった。栗原を投入するや、慶應はボールをキープし始めた。それによりリズムがよく攻撃をしかけられた。

この日の慶應で最も輝きを放ったのは、WTB宮本恭右だろう。前半に早稲田No.8丸尾崇真に2度もタックルを決め、後半にもFB河瀬諒介にタックルを決めボールを奪っていた。

一方の早稲田もやはり依るべきはディフェンスだった。59分前後だったと思うが、17フェイズの慶應の連続攻撃をペナルティなく耐えしのいだ。観ていてる方も何故か安心して観ていられた。終了間際には28フェイズの連続攻撃を再びしのぎ、最後はターンオーバー。ディフェンスの勝利と言えるだろう。

SH齋藤直人、SO岸岡智樹のハーフ団には若干のミスがあった。試合後のコメントで岸岡がSOとして責任を感じる、といったような発言をしていたが、イージーなミスが数回あったように記憶している。雨天かつ早慶戦かつ僅差。そのプレッシャーの中、早稲田を勝利に導いたことは、このハーフ団にとってポジティブに捉えて良いはず。

 

なんでもできる明治

そして翌日の明治対帝京。まず怪我人が多いのが帝京だが、それにしても7番にキャプテン本郷泰司を置いてきたのには驚くしかなかった。10番、12番が本職のはずだが、FWをキャプテン自ら引っ張らせたい意向だったという。

本郷の責にすることはできないが、いずれにせよスクラムで明治に圧倒されたことの要因の1つにはなってしまった。最初に明治に取られたトライでは、12番のディフェンスを突かれてしまったことも本郷にとっては悔やまれるシーンだった。

No.8ミティエリ・ツイナカウヴァドラは強く前に出ることができていたが、それでも明治ディフェンスを崩すまではいかない。崩す前にノックオン等のミスが出てしまう。怪我人が居ることを差し引いても、常勝軍団の戦いではなかった。

J SPORTS解説の藤島大さんが仰っていたが、明治はなんでもできた。キックオフ直後のキャプテンHO武井日向のタックルに始まり、FL繁松哲大も帝京のランナーへ猛然と襲いかかっていた。武井に至っては、およそHOとは思えないような、帝京7番をハンドオフで、11番はステップでかわし、トライ。これが現代のHOだ。日本代表、堀江の後継者と思える動きだった。

とは言え、この試合を支配していたのはSO山沢京平だろう。同じく埼玉県立深谷高校卒の山沢拓也(パナソニックワイルドナイツ所属)の弟だ。

序盤はコンテストキックを自陣から相手陣に入るように蹴っていた。これを走れるFWが追いかけ帝京にプレッシャーをかける。反撃が難しいと見るや帝京は蹴り返す。これを明治バックスリーが余裕を持ってカウンターで攻め込む。この形が何度となく前半には観られた。コンテストキック自体は、その多くが帝京にボールを渡してしまう結果になっていたが、帝京に充分なプレッシャーを与え、その後のプレーの判断を誤らせる影響を与えた。

ハイパントだけでなくグラバーキックからのトライも演出。そして帝京ディフェンスのミスマッチを突いてランもできる。早稲田の岸岡はよりストラテジックな判断・動きを志向しているように観えるが、山沢はオールラウンダーなスキルを用い、局面局面にフレキシブルに対応しているように観える。どちらも非常に魅力的だ。

FWの肉弾戦で帝京に負けず、SOのゲームメイクも長けている、そしてさらに驚いたのは後半早々のハンズだ。右端から一人ひとりがパスを順目に繋ぎ、あっという間に左端へ渡っていた。非常にダイナミックな展開で、お世辞でなくスーパーラグビーを観ているようだった。ほんとうになんでもできていた。

 

12.1(日)早明戦

対帝京戦だけを観ると、明治に分があるが、帝京の怪我人の影響もあるので一概には言えないだろう。しかし早稲田にとって明治が対抗戦の最も困難な相手であることは確かだろう。帝京戦や早慶戦同様、ディフェンスで勝つ、という気持ちで最初からタックルし続けるしかない。フィジカルで帝京に勝ってしまう明治だからこそ、開始早々から出鼻をくじくしかない。明治がノックオンした場合もアドバンテージを活かして攻め、スクラムの数は意図的に減らすべきだ。

なんでもできてしまう明治に、早稲田が勝っている部分は何なのかを明確にし、そこで勝負するしかない。(CTB中野将伍の回復が間に合って欲しい。。。)

今のところ降水確率30%であり、ピッチコンディションは問題ないだろう。

敗れた側は大学選手権で再度帝京とまみえることとなる。ピーキングを熟知している王者帝京は選手権でこそ力を発揮するのだ。

 

もちろん早明戦はザ・テストマッチだ。これに全てをかけてしまって良いくらいの価値があることは確かだ。しかしそれは2校の間でのこと。大学選手権の決勝戦は、なんと新国立競技場で行われる。その場に立ち、勝利を勝ち得るためのステップにできるかどうかが、12.1には問われることとなる。

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