【ラグビーワールドカップ2019】Match 42 セクストンの沈黙、そして黒衣の男たちのゼロ距離パス

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日本戦に出られなかったものの、Match 22のロシア戦でその輝きを示したアイルランド代表SOジョナサン・セクストン。しかしニュージーランド代表オールブラックスの前に、ほとんど目にすることなく、後半63分に交代。1点も加えることができなかった。セクストンのパスやランからオールブラックスのディフェンスを崩すことはほぼ出来なかったことは下記STATSからもわかる。

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69分にスクラムを起点に、CTBヘンショーがようやく1トライ目(おそらく上記の1がそれに当たる)。この時点でオールブラックスは既に5トライを上げている。

J SPORTSのスタジオ解説だった慶應義塾大学ラグビー部HC栗原さんが「引くぐらいオールブラックスが強かった」と仰ってましたが、普段使うラグビーの言葉では表現が出来ないほどこの試合のオールブラックスは強かった。

本来アイルランド代表がやりたかったような、ラック周辺でFWが前へ出続ける。一人ひとりの前に出る圧力の強さに、ことごとくゲインを許す。アイルランド代表はミスタックルが多すぎた。No.8スタンダーが17回全て成功させている以外、この精度ではオールブラックスの縦へのアタックを止められない。

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J SPORTS現地解説のクボタスピアーズAC田邉さんが解説してくれていましたが、両サイドライン際を使って前へ出つつ、中央へ深めのパスを出し、SOモウンガ、FBバレットで反対サイドへ一気に持っていってしまう。この試合でも両WTBジョージ・ブリッジ、セブ・リースがそのボールを受けさらに食い込んでいく。体の小さいセブ・リースだが、力強さは画面からも伝わってくる。ステップも小さくこきみよい。ジョージ・ブリッジには2011年大会のコーリー・ジェーンを思い出させるような安定感を感じる。キャップ数は少ないが今のオールブラックスの最後方3人は至極の位置に達している。

その最後尾に位置するFBボーデン・バレット。プレイヤーオブマッチにも選ばれていたが、とにかく全てのプレーの精度が高い。コンテストキックも自分で蹴って自分で取れる、相手のコンテストキックも取った後にプレーができるほどきれいにキャッチ。そして得意のドリブルからのトライ。これまでのテストマッチで何度も見た光景ではあるが、一人だけサッカー選手が混じっているのである。バウンドも計算してるのか、最後は手にボールが吸い付くようにキャッチし、あとは置くだけ。かのアルゼンチン代表SO/FBファン・マルティンエルナンデスの足技もすごかったが、10年ほど経ちここまで進化したということか。

オールブラックスの強さは何なのか。わたしはただのラグビー好きなので難しいことはわかりませんが、ショートパス、というよりゼロ距離パスの精度の高さは改めてこの試合で認識できました。おそらく距離にしたら50cmから1mくらいでしょうか、すぐ隣りにいる選手にパスを放り、受ける側もそれをなんなく持って次のプレーに転じる。それを180cm以上、100kg前後ある人たちがミスせずにこなすのである。

日本の選手がスピーディーで器用とも言われるが、これを見てしまうとまだまだスキルの点で追いついていないのかな、と感じてしまう。480万人程の人口だが、子供たちが最初に手にするボールが楕円球なのであろうか。生まれたときから楕円球に触れているような男の子たちの中から31人が選ばれ、23人が選ばれ、15人がグラウンドに居る。(実に‭約0.00000625‬%)

これで準決勝の第1試合、Match 45はイングランドニュージーランドと決まった。このオールブラックス相手に、エディー・ジョーンズHCがどのような戦術を立ててくるのか、楽しみですね。

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